子どもの金銭感覚はお小遣いで育てよう!自然とお金の勉強ができる渡し方

子どもが小学生ぐらいになると、与えるお小遣いに悩むママも多いと思います。
成長に合わせて交友関係も広がり、子ども同士のお付き合いなどでお金を使う場面も。
子どもが欲しがるものを親が買ってあげていたり、ねだられた金額だけを与えるだけではお金の使い方や物の価値を養うことはできません。
学校で教えてくれない大切なことだからこそ、一番身近なパパやママがお金の勉強を教えてあげましょう。
正しいお小遣いを与えることで、きっと子どもの金銭感覚の成長が期待できるでしょう。
Contents
みんなが与えているお小遣いの金額は?
小学生の間は年齢×100円が平均的
某大手メディアサイトのリサーチによると、小学生のお小遣いの平均は、
- 低学年(1.2年生)で平均949円
- 中学年(3.4年生)で平均896円
- 高学年(5.6年生)で平均1,087円
だそうで、どの学年も最も多い回答があった金額が「500円」でした。
平均額が中学年より低学年の方が上回っていますが、これは低学年時にはまだお小遣いはなく、一部の高額小遣いを与えているご家庭で引き上げられているのではないかと考えられます。(独自判断で申し訳ございませんが)
また、高学年になると平均でも1,000円を超えており、700円から1,500円までの層が全体の7割を占める形となりました。
家庭教育アドバイザー専門家の先生がおっしゃるには、小学生のお小遣いは年齢×100が理想とされているそうで、
1年生なら600円(6歳×100円)、6年生なら1,200円(12歳×100円)が相場だと考えられています。
中学生になるとお札でのお小遣いに
小学生までは小銭でもらっていたお小遣いも、中学生になればお札でのお小遣いになる家庭が多くなります。
中学生くらいになると親の管理がなくても友達と遊びに行ったり、カフェやファミレスでドリンクバー片手に語り明かすなんてことも増えるでしょう。
また、食欲も増加する時期ですので、学校帰りや遊びにいった時に食料を買うことも増えるかと思います。
小学6年生と中学1年生は1歳しか違いませんが、交友関係や行動範囲も広がりますので同じ金額というわけには行きませんね。
中学生になるとお小遣いの平均金額もグッと上がり、2,502円が平均というデータがあります。
お小遣い相場も、
- 中学1年生で2,500円
- 中学2年生で3,000円
- 中学3年生で3,500円
となっています。
私たち親世代からすると、「中学生で3,000円は高すぎる!」と思う方もいるかもしれませんが、私たちが子供の頃とは時代も物価も違えば消費税もあがっています。
物価上昇に合わせて子どものお小遣いが上がることは必然的ともいえるでしょう。
お小遣いは固定制?報酬制?
お小遣いの渡し方には、固定制と報酬制に分かれることが大半です。
大人でいうと、年棒制(月収制)とコミッション(成果報酬制)のようなイメージですね。
固定制お小遣いとは?
まず固定制ですが、毎月決まった金額を与える方式です。
毎月1,000円と決めたならその金額をコンスタントに渡していきます。
オーソドックスではありますが、子どもに「決まった範囲内でやりくりする」ということが自然と身につく上に親側も管理しやすい渡し方でしょう。
固定制お小遣いのメリット
前項でも述べたように、使える金額に上限があるということは、決められた範囲でのやりくりを養うことができます。
また、買いたいものが2つ3つと重なって予算オーバーになったとき、「今何が一番必要になるものか?一番欲しいものはどれだ?」と物事に優先順位を決める力を覚えるメリットも。
お金が足りない=買えないということですので、我慢したりまだ使えるものを長く使ってみたり、場合によっては貯金をして頑張って購入するという計画的発想も期待できそうです。
固定制お小遣いのデメリット
使えるお金に上限があるということはたくさんのメリットも生みますが、親側が上手にカバーしてあげないと違った物の捉え方をしてしまう場合も考えられます。
例えば、「いいもの」よりも「安いもの」を選ぶことが当たり前になってしまったり、「欲しいもの」よりも「今買えるもの」を優先してしまって、様々なことに妥協を覚える可能性もあります。
ですので、もし子どもが本当に欲しくて買ったのか、別のものが欲しかったのに妥協して安いものを選んでないかなどママが気を使ってあげましょう。
もし、「お小遣いではこれしか買えなかった」という場合は、「どれくらい足りなかったの?」「来月のお小遣いと合わせたら本当に欲しいものが買えたんじゃないかな?」とアドバイスしてあげたいですね。
報酬制お小遣いとは?
報酬制は、お手伝いやテストの成績が良かったなどの際に都度お小遣いを与える制度です。
大人でいえば歩合制・完全報酬性と同じで、「やったらやっただけ給料(お小遣い)がもらえる」という意味ですね。
実はこの報酬制は、大人でも子どもでも欧米では一般的です。
日本では大人の仕事が月収制が多いので、子供のお小遣いも固定式が大半を占めています。
しかし、お金と労働が対価という価値観を持つ海外では、子どもの頃から働いてお小遣いを得るという家庭教育が行われているようです。
報酬制お小遣いのメリット
報酬制の最大のメリットとして、「お金を稼ぐ大変さ」を子どもながらにして覚えることができます。
筆者がよく子どもに言うのですが、子どもに「このお菓子100円だよ!安いから買って!」と言われたとき、「なら100円稼いでみなよ」という会話をします。
100円稼ごうとすると時給1,000円で6分間働くことになります。
子どもが2,000円のお洋服を欲しがるなら、時給1,000円で2時間働かなければ買えませんね。
固定制のお小遣いの場合、何もしなくても黙っていても決まった日になればお小遣いがもらえますが、報酬制の場合自分から動いて稼がなければお小遣いがもらえません。
お金を稼ぐために進んでお手伝いや家のことをしたり、テストで100点を取るために一生懸命勉強したり、「欲しいものを買う」ということを目標に労働とお金の関係性を学ぶことができます。
報酬制お小遣いのデメリット
一見しつけという面でも優れているように見える報酬制のお小遣いですが、「お金をもらわないとお手伝いをしない」と考えになってしまうことがデメリットです。
お手伝いが好きで、パパやママの喜んだ顔が見たくてボランティアでお手伝いすることに楽しみや達成感を味わう子であればいいですが、お手伝いを頼むたびに「いくらくれる?」と言われていてはママもがっかりしてしまうでしょう。
お金がないと動かない子にならないようにも、お手伝いをしてもらったら感謝の気持ちも伝えましょう。
また、あえて「子どもがするべき仕事」を与えてルーティーン化することもおすすめです。
仕事をするからお給料をもらえる。家庭の仕事はこれということを決めて、子どもに任務を果たしてもらうことで本人も充実感と達成感が味わえます。
テストでいい点数をとったらお小遣いをあげるというやり方は、本人の学力アップにもなりますし、一概にデメリットがあるとは考えにくいです。
「こんなに頑張ってすごいね!」という言葉と一緒にお小遣いを与えると「お金がもらえる上にママに褒めてもらえた」と自信につながるでしょう。
子どもの金銭感覚を養うママの教え方
手持ちのお小遣いで物の価値を勉強する
子どもと一緒に100円を持ってお出かけしてみましょう。
スーパーやお菓子売り場で「欲しい」と思うお菓子は「100円で買えるのかどうか」を勉強して物の価値を養います。
今までは欲しいものはママが買ってくれていましたし、「これは高いからダメ」「お菓子は100円まで」と言われても子どもはピンッと来なかったはずです。
物の価値を覚えると「今100円あるからコアラのマーチは買えるけど、パイの実は高いから無理だ」など、今あるお金でどういうやりくりができるかどうかを養われます。
小学生の遠足で「おやつは300円まで」という決め事は、物の価値を知り、金銭感覚を養うための決まりでもあるのですね。
欲しいものがあるなら「貯める」という習慣を
「ゲームソフトが欲しい」「かわいくて新しい文房具が欲しい」という物欲欲求は子どもにとって当たり前です。
安いものであれば、かわいい我が子のために買ってあげたくもなりますが、ここはグッと堪えて、「お小遣いを貯めて自分で買ってみたら?」とアドバイスをしてみては如何でしょうか。
このときに効率的なお小遣いは固定制よりも報酬制です。
- 洗濯物干しを手伝ったら50円
- 下の子の相手をしたら30円
- パパの肩たたきをしたら10分100円etc…
など、普段のお手伝いにプラスして報酬制のお小遣いを与えてみましょう。
「お小遣いがないとお手伝いしなくなるのでは?」という心配もあるかもしれませんが、「何かの目標に向けて一生懸命働く」「お金を稼ぐ大変さ」を覚えることは子どもの将来に大いに役立ちます。
また、苦労して手に入れたものにはきっと愛着も湧いて大切にすることが期待できますし、同時に達成感も味わうことができるでしょう。
「前借り」ではなく「ボーナス」を
遊ぶ時間も長くなる夏休みなどは子どもも出費が重なるものです。
友達との付き合いで行く駄菓子屋さん、暇つぶしに行くコンビニ、屋台が楽しい夏祭りなど・・・
その場合少ない小遣いではどうしても足りなくなってしまいますね。
「今回だけは特別」という理由でお小遣いを前借りしたり臨時収入を与えたりすると、子どもも「無くなったらもらえる人に頼めばいい」と思ってしまうことも・・・
特にお小遣いの前借りが小さいうちにクセになると、将来やりくりが出来なくなったときにはキャッシングやカードローンに頼ればいいという感覚に陥ってしまう可能性もあります。
また、「今すぐ欲しいものは今絶対手に入れる!」と我慢することを覚えることができません。
こういった間違った金銭感覚を育てないよう、出費が重なるときは「ボーナス」として渡してみましょう。
「お年玉とお誕生日にはボーナス」という分かりやすい決まりにして、出費が重なる時期や何か欲しいものがあればその時期まで我慢して、ボーナスでやりくりを覚えさせることもオススメです。
お金を使う楽しさも覚えてもらうために、あまり深く考えずたまにはおおらかな気持ちになって与えてみては如何でしょうか。
お金の失敗は大切!叱らないで見守って
ときにはお金の使い方を失敗してしまうこともあるでしょう。
必要のないものまで買ってしまった、消しゴムはたくさんあるのになぜかまた買ってしまった、どうでもいいものをノリで買ってしまって本当に欲しいものが買えなくなった、気がついたらすっからかんに・・・
大人になった私たちでさえもあるぐらいお金の失敗は日常的です。
しかし、失敗したときは叱らないであげてください。
子どもは自信を無くす上に成長にストップをかけてしまいます。
何よりも失敗から自信喪失なるとお金を使う楽しさを覚えられない原因に・・・
人間はたくさん失敗して学ぶ生き物です。
叱るのではなく、「買い物行く前に今日は何を買うかきちっと決めておこうね」「今日はこれを買いにいったの?」「昨日お菓子を我慢してたら今日発売のポケモンのカード買えたね」など、「こうすればいいんだ」というヒントをあげて成長を後押ししてあげましょう。
まとめ
今回は子供のお小遣いにスポットをあてて記事にしてみました。
お小遣いの相場や使い方は、各家庭の価値観もあるだろうし、子ども自身の個性によって何が一番いいかがかわります。
一概に「このやり方が一番」ということではないですが、全体的に言えることは、親の感覚が子どもの感覚になりうるということです。
学校では教えてくれないが生きている上で絶対に必要なことですので、大切な感覚と意識を身につけさせてあげたいですね。